コンクリートの家を建てる方法としてWPC工法があります。
WPC工法は、「地震に強い」「工期が短い」などたくさんのメリットがありますが、「WPC工法にデメリットはないのか」と疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論を言えば、WPC工法にもデメリットがありますが、しっかりと対策を講じることで安心・安全に暮らせるコンクリートの家を建てられます。
今回は、WPC工法でつくるコンクリートの家の施工実績が豊富なRC-STANDARDがWPC工法のメリット・デメリットをくわしく紹介します。
WPC工法とは
WPCとは「Wall Precast Concrete」の略でWPC工法とは、あらかじめ工場で生産された高品質な鉄筋コンクリートパネルを現場で組み立てる工法のことを指します。
壁式プレキャスト鉄筋コンクリート工法とも呼ばれ、住宅以外にもトンネル、橋梁などの土木部材としても使用されています。
WPC工法の特徴
コンクリートを現場打設せずに、工場生産することがWPC工法の大きな特徴です。
現場打ちコンクリートは、職人の技術、天候などによりコンクリートの強度が左右されますが、工場生産のコンクリートパネルは、安定して高品質のコンクリートをつくれます。
コンクリートパネルとは
コンクリートパネルとは、コンクリートと鉄筋を掛け合わせたパネルのことを指します。
圧縮に強いコンクリートと引っ張りに強い鉄筋により、高い耐久性を実現した建築部材です。
WPC工法のデメリット
WPC工法には、たくさんのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。
- ・デザインの自由度が低い
- ・リフォームしにくい
- ・接合部から雨漏りすることがある
- ・十分な現場管理が必要
デザインの自由度が低い
WPC工法は、工場にある型枠を使用してコンクリートパネルを生産するため、規格外の対応が難しい傾向があります。
箱型の壁式構造に組み立てるのが基本設計になりますので、独自のデザインを追求したい方にはおすすめできません。
以下の記事では、デザイン性の高いRC住宅の特徴を紹介しています。
>デザイン性が高いRC住宅の特徴|規格住宅のメリット・デメリットや間取りの工夫などを紹介
リフォームしにくい
壁式構造は、耐力壁により建物を支えているためコンクリートの耐力壁を取り払ったり、移動させることが難しく、間取り変更が制限されます。
接合部から雨漏りすることがある
WPC工法は、コンクリートパネルをつなぎ合わせる建築方法であるため、つなぎ目が発生します。
このような接合部から雨水が侵入し、雨漏りの原因となることがあるので、シーリング材を使用してしっかりと防水加工することが重要です。
十分な現場管理が必要
WPC工法は、工場から複数回にわたりコンクリートパネルを搬入、現場でクレーンを使用してコンクリートパネルを組み立てます。
したがって、搬入時の建材の損傷や組立作業中の安全管理など十分な現場管理が必要です。
また、コンクリートの運送費、仮設工事費が発生することもWPC工法のデメリットの1つです。
WPC工法のメリット
WPC工法には、以下のようなメリットがあります。
- ・地震に強い
- ・自然災害に強い
- ・耐火性に優れている
- ・ローコストで建てられる
- ・耐久性が高い
- ・遮音性が高い
地震に強い
工場で生産される高品質なコンクリートは、現場打ちコンクリートの2倍の強度があります。
また、コンクリートパネルを箱型に組み立てることにより、地震の揺れを面で受け止め、1カ所に大きな力がかからない構造になります。
実際に、阪神・淡路大震災や熊本地震などでもWPC工法の建物は大きな損傷がありませんでした。
以下の記事では、鉄筋コンクリート(RC)住宅はなぜ地震に強いのかを解説しています。
>鉄筋コンクリート(RC)住宅はなぜ地震に強いのか|構造の特徴、築50年でも大丈夫かなど
自然災害に強い
地震だけではなく、台風、洪水などの自然災害に強いこともWPCのメリットです。
WPC工法による鉄筋コンクリート(RC)住宅が台風・洪水などの自然災害に強い理由は、以下のとおりです。
- ・飛来物による外壁の破損が少ない
- ・重量があるため流されにくい
コンクリートパネルは、強くて硬いため、暴風により飛来物が外壁に当たっても割れたり、ヒビが入るリスクが少ないことが大きなメリットです。
耐火性に優れている
コンクリートは、1000度の熱に2時間さらされても強度が下がらない耐火性が高い建材です。
したがって、万が一火災があった場合でも他の構造の住宅と比べ、安全に避難することができます。
ローコストで建てられる
WPC工法は、以下のような理由から、一般的に建設費が高い鉄筋コンクリート住宅をローコストで建てることが可能です。
- ・工期を短縮できる
- ・工場生産なので人件費・材料費を抑えられる
WPC工法を採用することで、一般的なRC住宅の1/3~2/3程度の工期に短縮できるため、人件費を抑えられることが大きなメリットです。
以下の記事では、ローコストでRC住宅を建てる方法を紹介していますので、ぜひごらんください!
>RC住宅はローコストで建てられる?|費用を抑える方法やWPC工法のメリット・デメリットなどを解説
耐久性が高い
コンクリートパネルを工場でつくるため、天候や職人の技術に左右されず、高品質なコンクリートを安定してつくることができます。
遮音性が高い
堅牢なコンクリートパネルは、重く、高密度であるため遮音性が高いです。
例えば、1000Hzの音がPCパネルを通して隣の部屋に届くとき、100dbから45dbまで軽減されます。
このように、木造住宅、鉄骨造住宅に比べれば遮音性は高いのですが、完全に音をシャットアウトするには至らず、「子供の泣き声」「振動音」などは聞こえることもあるため、注意しましょう。
WPC工法で鉄筋コンクリート(RC)住宅を建てるなら、愛知・岐阜のRC-STANDARDにお問い合わせください。
WPC工法による高品質な鉄筋コンクリート(RC)住宅をお求めやすい価格で提供いたします。
WPC工法で建てる鉄筋コンクリート(RC)住宅の間取りを紹介
WPC工法の住宅は、ローコストで提供できるメリットがありますが、実際の間取りはどのようなものなのかが気になるところですよね。
ここでは、WPC工法により、2,000万円台で建てられる鉄筋コンクリート(RC)住宅の間取りを紹介します。
WPC工法で建てられる鉄筋コンクリート住宅の間取り実例|25.73坪
こちらは、過ごしやすさを重視したコンパクトな家の間取り実例です。
「リビング階段」「パントリー」などを配置し、無駄なスペースを少なくすることで、コンパクトで過ごしやすい間取りに仕上がります。
WPC工法で建てられる鉄筋コンクリート住宅の間取り実例|29.12坪
こちらは、29.12坪の間取り実例です。
ゆとりのあるLDKとキッチンから見えるスタディーコーナーが魅力的です。
WPC工法で建てられる鉄筋コンクリート住宅の間取り実例|30.34坪
こちらは、30.34坪の間取り実例です。
洗面脱衣室へは、リビング、ホールから2wayで移動できる動線がよい間取りに仕上がりました。
RC-STANDARDには、今回紹介しきれなかったプランが他にもありますので、ぜひごらください。
WPC工法についてのQ&A
最後に、WPC工法についてよくいただく質問と回答を紹介します。
沖縄でコンクリート住宅が多いのはなぜですか
沖縄でコンクリート住宅が多い理由は諸説ありますが、以下のとおりです。
- ・米軍が鉄筋コンクリート建築の技術を持ち込み普及した
- ・台風対策
- ・シロアリ対策 など
特に、沖縄は台風が多い地域であるため、強風や飛来物による被害を最小限に抑えるためにコンクリートの家が普及したと言われています。
WPC工法で躯体を完成させるにはどれくらいの工期がかかりますか
建て方開始から5~10日でコンクリート躯体が完成します。
全体的な工期は、一般的なRC住宅の1/3~2/3程度の工期に短縮可能です。
まとめ
今回は、「WPC工法にデメリットはあるのか」について解説しました。
WPC工法は、規格外のデザインに対応しにくいため、「デザインの自由度が低い」ことが大きなデメリットです。
しかし、「ローコストで建てられる」「耐震性・耐久性・耐火性に優れている」などメリットもたくさんありますので、ご自身のライフスタイルに合わせて検討しましょう。
今回紹介した情報が、「WPC工法で鉄筋コンクリート(RC)住宅を建てたい」と考えていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
RC-STANDARDは、愛知県と岐阜県を中心に、高品質かつローコストのRC住宅を提供しています。
RC造住宅には憧れを感じるが、予算が合わない。それでも、スタイリッシュで頑強な住まいづくりを実現したいと考えている方は、ぜひ私たちにご相談ください。